小さい頃は息子の髪を切るのも一苦労でした。じっとしていられないのと、耳周りや襟足を剃られるのが特に苦手で、切り途中でやむなく帰ったこともあります。当時の美容師さんには本当にお世話になりました。
それが段々と成長していくにつれて、おとなしく切られるようになっていきました。いつも息子のそばで私は待機していたのですが、その必要がなくなり、待合席で雑誌を読む余裕すら出てくるようになったのです。「成長しましたね〜」当時を知る他の美容師さんとそんな会話をしていました。
ところが、ここ数ヶ月くらいでしょうか。また息子の美容院が大変になってきました。耳周りと襟足以外のところは大丈夫なのですが、その部分になるとどうしても笑ってしまうのです。笑い始めると止まらなくなり、体をくねらせるので切れない状態に。周りのお客さんの目もあるし、私も肩身が狭い思いで、どうにかならないものかと考えました。
いっそのこと髪をロングにしてしまえば良いのでは?美容師さんに相談してみましたが、息子の硬くて多い髪は、伸ばすと大変なことになるでしょうとのこと。きちんと洗って乾かすところまで毎日できれば良いですが、それができないとシラミが湧いたりすることもあります、と言われゾッとしました。
ならば坊主にしたらどうかと思いましたが、坊主にするにもバリカンで耳周りや襟足を剃らなければなりません。こんなに身をくねらせているのに、果たしてできるでしょうか。
そんなある日、娘の毛量調整のために、近くの2000円カットのお店に行った時のこと。ついでに息子も頼んでみることにしました。とっても気さくな感じのお店ですし、1組ずつの予約制なので、他のお客さんもいません。
息子はやはり耳周りになると笑い出してしまいましたが、美容師さんが「お母さん頭を押さえてください!」というので、私も遠慮なくガシッと息子の頭を押さえさせてもらいました。すると息子は私が頭を押さえていると落ち着くのか、スーッと笑わなくなったのです。手を握っていてもらえると安心する、あの感覚に似ているのでしょうか。
そんな感じで私も遠慮なく息子に介入できたので、最後までしっかりと仕上げることができました。ここなら切れるかも!希望が湧きました。
美容師さんとも話が弾み、息子のカットを嫌がっているわけではないことが伝わりました。これだけのことをしていただいたのに、安すぎる!と思うくらいの料金です。
元々母が一時期通っていたお店で、そのご縁で行ってみようと思ったお店でした。ご縁に感謝です。またひとつ居場所が増えました。
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