母の冒険 〜思い出の街へ〜

 1日目。岐阜の街へ。朝から冬のような寒さで、冬用コートを急いで引っ張り出しました。私にとっては冒険の始まりです。主人なしで遠くに出かけるのは何年ぶりでしょうか。人混みや乗り物、特定の場所が苦手だった数年間を経て、ここまで回復できたことが嬉しくなりました。この旅を無事に乗り越えられたら、きっと自信になる。娘という心強い相棒もいる。きっと大丈夫。

 緊張を感じる間もなくバタバタと新幹線に乗り込み、快適な車内の時間を過ごし、あっという間に岐阜に到着しました。家を出てから2時間後には岐阜にいるという。近いですね。

 駅は全く見覚えがないほどに様変わりしていました。私がいた当時既にレトロ感満載だったステーションビルは、新しく生まれ変わっていました。懐かしさを感じられないまま駅の外へ出ると、視界の先に金華山と岐阜城が見えました!岐阜に帰ってきた!ようやくその実感が湧きました。


 コインロッカーに預けるつもりだったスーツケースですが、空きがなく、コロコロと引きながらの散策となりました。懐かしい場所を歩いていきます。まずは思い出の岐阜高島屋へ。来夏に閉館してしまうそうなのです。悲しすぎます。



 視界に入ってきた歩道の模様に、幼い頃の記憶が一気に蘇りました。この模様の丸を踏めるように、幼い私はぴょんぴょんと小さなジャンプをしながら歩いていたことを思い出したのです。下ばっかり向いて歩いていたなと。ふと蘇る記憶。

 変わらずあるもの、なくなってしまったもの、様々でした。一つ一つに感動して、娘に思い出話をしながら歩きました。娘は退屈するかなと思いきや、「私の知らないママを知れて楽しい!」と興味深そうに聴いてくれました。今回の旅の最高のパートナーだなと思いました。

 お昼ご飯の後は、母校へ。ちょっと距離がありましたが、歩いて行くことに。なんとなく道を覚えているものですね。記憶を頼りに歩いていきました。20年ぶりくらいの母校訪問です。

 目の前に現れた母校は…全く面影がなくなっていました‼︎ あの古びた校舎は建て替えられ、キラキラと輝く新校舎に生まれ変わっていました。感動…しない‼︎ その感覚が可笑しくなるほどでした。形あるものは、変わっていくものですね。そんなことを感じる旅が続きます。


 夕食は行きつけだった鰻屋さんへ。ここのパリッとした鰻が大好きでしたが、このお店が入っているデパートももうすぐ閉館するとのこと。ショック。。どこもデパートは厳しい状況なのですね。なくなって欲しくない場所を応援していこうと改めて思いました。思い出の鰻は感動的な美味しさでした。

 そして以前の職場である空港へ。この時点で既に17000歩越え。スーツケース片手によく歩きました!以前の職場にはストリートピアノがあり、娘のこの旅の1番の目的でもありました。既に夜になっていて、弾ける時間が終わってしまうかもと焦り始めました。空港に到着して感動する間もなくピアノまでダッシュ!良かった、間に合った!思いの外すみっこに設置されていたピアノ。ライトも当たっておらず、弾いていいのか分からず躊躇する私たちの横を小さい女の子がスタスタとピアノへ歩み寄って、可愛らしい曲を弾き始めました。なんだ、やっぱり弾いて良かったんだ。その子が弾き終えるのを待ち、娘がいきなり大音量でミセスの曲を弾き始めました。私は録画を命じられたので、ずっと娘の方を向いており、周りの反応はよく分からないままでした。こんなに大勢の人がいる場所で、こんなに大音量で4曲も弾く娘の度胸にびっくりです。普段シャイな娘のどこからこんな度胸が生まれてくるのか。本当に好きなことだとそんな勇気が湧いてくるんだなと感心しました。私の方がドキドキが止まらなかったです。

 ようやくホテルへ到着。濃い1日でした。2日目へ続く。

 

365日の展覧会

はは、むすめ、むすこのアートな日々

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