「その日のまえに」聴了。

 聴了という言葉はないのかもしれませんが、オーディブルで重松清さんの「その日の前に」を聞き終わりました。

 重松さんの作品には心を揺さぶられっぱなしです。最初の出会いは「季節風・冬」という短編集の中の「純ちゃんの北斗七星」でした。娘の塾の国語のテキストに抜粋されていたその文章に、涙が止まらなくなったのです。発達障害のある子。その友達。その母。親近感を覚えずにはいられないその設定と、息子を学校に通わせながら抱いていた私の気持ちを言い当てられたかのようでした。どうしてこんなに分かるのかな。私が伝えたかったことはまさにこのことだ。そう思ったのでした。

 それから重松さんの本を何冊か読んで、「その日のまえに」に辿り着きました。今回は常に人生の終わりが存在する作品集でした。聴きながら大切な人たちの顔が浮かびます。その人に会える1回1回を大切にしたいと改めて思います。これが最後というくらいの気持ちで。悔いのないように。

 そう思っているのに、つい忘れてしまうこの気持ち。だからこういう作品を読んで、見て、思い出させてもらうことが大事なんだなと思います。

 明日は娘の誕生日です。誕生日と同じだけ、大切な人の命日という日がこれから増えていくでしょう。365日の中の、今はなんでもない日が「その日」になる日が来るのでしょう。

 明日の娘の誕生日は思いっきりお祝いしたいです。

365日の展覧会

はは、むすめ、むすこのアートな日々

0コメント

  • 1000 / 1000