天ぷらそばと大晦日

 もう何ヶ月も前から、今日の予定が息子の中で決まっていました。

「12月31日は年越し蕎麦を食べに行こうね!天ぷらそばを食べようね!」

お店も決まっています。息子が大好きな天ぷらそばを普段からよく食べに行っているお店です。

 いよいよ12月31日当日。目覚めた時から息子はハイテンションでした。ずっと興奮状態。おしゃべりも普段以上に多いです。

 お店の開店時間に合わせて家を出発。息子の歩くスピードの速いこと!私が小走りしないと追いつきません。迷いなく、颯爽と歩いていきます。道中何度も「天ぷらそば食べようね!」と大きめの声で言うので、これから蕎麦を食べに行く親子だと、道行く人に発表しているような状態に。「1の声だよ」と何度か注意しました。息子は恥ずかしいという概念があまりないので、こういうことになりがちです。

 それでも、本当にこの日を待ち侘びていたんだなと思うと、微笑ましい気持ちになります。息子の願いを叶えてあげたい。ささやかなことだけれど、息子にとっては大きな楽しみなのです。

 本命の蕎麦屋さんに開店時間に到着しましたが、既に長蛇の列。人気店なので予想はしていて、プランBを息子に事前に提示してありました。プランBはすぐ隣のデパートに入っているお蕎麦屋さんに行くもの。ここの蕎麦もとても美味しいのです。

 息子は長蛇の列を見るなり、「◯◯(プランBのお店)に行こっか!」と言い、また競歩のような速さで歩き始めました。鮮やかな切り替え!予めプランBを提示していたので、見事な切り替えとなりました。

 小走りで息子を追いかけて、プランBのお店に入店。こちらは並ばずに入れました。迷いなく天ぷらそばを注文。食べる勢いも普段以上です。思わず息子に見入ってしまうほど。

 本当に楽しみにしていたんだな。毎年の大晦日のルーティンだもんね。その通りにしたかったのでしょう。きっと来年も同じ過ごし方をしそうです。それで息子がこんなに喜ぶのなら、それが最高の大晦日の過ごし方だと思います。

 帰り道、息子を挟んで夫と3人で息子の手を繋いで歩きながら、「1、2、さーん!」と懐かしのジャンプをしてみました。両側から息子を持ち上げるアレです。昔はひょいっと持ち上げられていたのに、私が腕を上げても全然持ち上がらない!それもそのはず。息子と私はほぼ同じ背丈になったからでした。

 いつもと同じが安心な息子。いつもと同じ過ごし方の大晦日。でも同じだからこそ小さな変化を感じられる大晦日でした。

365日の展覧会

はは、むすめ、むすこのアートな日々

0コメント

  • 1000 / 1000