未然に防ぐために、環境を整える。

 ABA療育における、困った行動対処の最重要ポイントとして「未然に防ぐこと」というものがある。起きてしまってから対処するのではなく、環境側の要因を探り、それが起きないように工夫することが重要だという考え方だ。困った行動を起こしてしまい、その結果叱るという対応だと、一時的にその行動が抑制されることはあっても長期的な効果はない。置き換わる適切な行動を学ぶ機会がなく、褒められる機会もないと、別の困った行動が出現するなどの悪循環に陥りやすい。困った行動を未然に防ぎ、「叱られない」だけでなく、褒められたり認められたりする機会を増やすことで、適切な行動を増やし、ポジティブな循環が生まれるのだ。

 息子は最近、寝る前の歯磨きの時に笑いが出る。以前にもあった行動で、しばらくなくなっていたが、また出るようになった。魅力的な強化子を用意したり、強化のタイミングを調整したり、色々試してみたけれど、改善が見られない。きっと何か違う環境要因があるはずだと思った。

 それはたぶん歯磨きをする時間帯だろうと思った。寝る直前に磨いているけれど、もう眠さMAXの状態で強化子のゲームを提示されても、そんなことより早く寝たいと思うだろう。いくらそのゲームが日中はなかなかできないレアなものだとしても、眠い時にやりたいとは思わないのだろう。息子にとってはそうなのだと思った。

 寝る直前に歯磨きをするんじゃなくて、夕食を食べたらすぐ歯磨きでも良いんじゃないか?とふと思った。夕食後に何かを食べることは滅多にないのだから。10年近い子育てで、ずっと寝る直前に歯磨きをしていたから、寝る前に歯磨きをするものだと思い込んでいたけれど、そんな眠くて不機嫌になるタイミングに、苦手なことをやらなくても良いんじゃないかと思った。これは完全な思い込みだった。

 明日から早速試してみよう。エラーを起こさず、息子をたくさん褒められるように。環境側で調整できることは、まだまだあるはずだ。

365日の展覧会

はは、むすめ、むすこのアートな日々

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